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第53回日本看護学会学術集会 交流集会⑨-1 看護業務効率化先進事例アワード受賞施設に学ぶ業務効率化~自施設でできることを見つけよう~(看護記録編)

2022年9月1日、2日札幌コンベンションセンターにて第53回日本看護学会学術集会が開催された。交流集会⑨-1において「看護業務効率化先進事例アワード受賞施設に学ぶ業務効率化~自施設でできることを見つけよう~(看護記録編)」と題し、看護師の時間外労働の一大原因となっている看護記録について「看護業務の効率化先進事例アワード」を受賞した県立広島病院、株式会社デザインケア みんなのかかりつけ訪問看護ステーション、社会医療法人柏葉会柏葉脳神経外科病院が効率化のポイントを紹介した。

県立広島病院は消化器病棟の時間外労働が年々増加していたことを背景に、煩雑な看護記録を見直したと語る。記録記載時間やセット展開などの電子カルテのシステム構築と記録を行う際の工夫を組み合わせることで時間外労働が180分減少した。医療情報管理部医療情報室長 村上久氏は「看護師がどのような働き方をしているのか、まず業務量調査から始めるとよい。その際に電子カルテの機能で看護師がいつ記録を行っているのかがデータとして抽出できると、問題を共有しやすい」と電子カルテの活用方法を語った。

株式会社デザインケア みんなのかかりつけ訪問看護ステーションでは2014年より常勤職員に一人1台携帯電話を貸与するなど、かねてより積極的にICTツールを活用していた。今回は記録業務のために事務所へ戻る移動時間が時間外労働の原因になっているという訪問看護特有の課題に取り組んだ。常勤職員に一人1台スマートフォンを貸与し、訪問看護の記録・業務連絡・会議を全てウェブ上で行うことで業務をスマートフォンで完結させた。代表取締役 藤野泰平氏は「ICTツールは導入コストが懸念されるが、導入後時間外労働が削減されることを考慮すれば費用対効果は十分ある。また、IT導入補助金などもうまく活用すると負担が軽減するのではないか」とICTツール導入の障壁となりそうな課題を的確に指摘し、解決策を提案した。 社会医療法人柏葉会柏葉脳神経外科病院では院内でクラスターが発生したことが看護記録の方法を変える契機になったという。レッドゾーンからグリーンゾーンへ紙の看護記録を持ち出すことが不可能であるため、スマートフォンを活用してレッドゾーンの情報をグリーンゾーンと共有した。副看護部長 小林利絵子氏は「あらゆる職種・世代の職員に周知し、導入を促進することが大切」と新しいシステムを導入する際のポイントを話した。

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