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国際モダンホスピタルショウ新型コロナウイルス感染症対応下でのICT等を活用した看護業務の効率化

2022年7月13~15日東京ビッグサイトにて「国際モダンホスピタルショウ」が開催された。日本看護協会特別セミナーにおいて「新型コロナウイルス感染症対応下でのICT等を活用した看護業務の効率化」をテーマにセッションが行われ、「看護業務の効率化先進事例ワード2021」を受賞した稲沢市民病院、社会医療法人柏葉会柏葉脳神経外科病院、日本医科大学千葉北総病院が看護業務の効率化に寄与した事例を発表した。

 稲沢市民病院は発熱外来にWEB問診を導入することで、職業感染予防と業務負担軽減に取り組んだ。藤田美由紀 救急外来看護部長は、「紙の問診票を使用していた時は看護師が問診を行っていた。しかし、病院ホームページ内に入力フォームを作成し、患者に情報を入力してもらうWEB問診に切り替えたことで、患者との接触機会の削減につながった。紙の問診票使用時と比較して患者1人当たり約19分の問診時間を削減することができた」と語った。

 社会医療法人柏葉会柏葉脳神経外科病院では、レッドゾーンにある看護帳票の記録をスマートフォンによる音声入力で共有している。小林利絵子副看護部長は「マスクで声がこもってしまうことが原因で誤変換が多発したことから改善方法を模索した。その結果、時間外業務が1人当たり2.2時間に減少した。また、面会が難しい状況でも患者の様子を撮影して患者家族へ共有することができ、患者家族の安心感にも貢献している」と話した。

千葉北総病院では、新型コロナ病棟でレッドゾーンへの物品搬送にロボットを活用している。レッドゾーンへの物品搬送は看護師が担当すると個人用防護具(PPE)の着脱などで1回につき15 分ほどかかっていた。水野雅子副看護部長は、「物品搬送ロボットに検体を搬送させることで、看護職員がレッドゾーンとグリーンゾーンを往復する回数が減り、PPEの着脱回数が減少した。ロボットを導入した6カ月間で1,655回使用しており、月に約69時間の短縮につながった。また、PPEのコストや人件費と物品搬送ロボットのランニングコストを比較すると月に約79,575円の削減ができた」と効果を説明した。

質疑応答の時間には来場者からスタッフへの協力の求め方やセキュリティに関する質問が寄せられ、意見交換が活発に行われた。

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