先進事例集

2020年度受賞施設

「看護業務の効率化先進事例アワード2020」受賞施設の取組を、以下よりご覧いただけます。
全10施設の事例集、プレゼンテーション動画、取組動画(最優秀賞・優秀賞のみ)、評価のポイントを掲載しております。

最優秀賞
施設名

株式会社トラントユイット 訪問看護ステーションフレンズ

タイトル

訪問看護におけるエコーによるアセスメント導入とICTを使った医師との連携

評価のポイント

従来のフィジカルアセスメントのみでは症状の根拠を把握しきれず、また遠隔地域への訪問の実施によって多職種との情報共有に時間を要することで、患者への早期介入に課題があった。これに対し、訪問看護師が持ち運び可能な携帯型エコーをフィジカルアセスメントの充実のために導入し、嚥下・排泄・褥瘡のアセスメントに活用した。そして「地域医療情報システム」によりエコー画像を医師とタイムリーに共有し、訪問中、その場でケアプランに活かし、的確なケアの提供を実施した。
その結果、多職種連携による正確なアセスメントと患者への早期介入が実現し、緊急訪問や電話相談回数が減少するなど、患者の生活の質を高めることに貢献した。
携帯型エコーのような医療デバイスは、アセスメントツールとして非侵襲性が高く、かつ短時間で正確な情報を得て看護ケアにつなげることが可能である。今後の看護師のフィジカルアセスメント能力を支えるという点でも高く評価された。

【 プレゼン動画 】

最優秀賞
施設名

広島県厚生農業協同組合連合会 廣島総合病院

タイトル

チーム医療による新たな手術室運営方法の確立~組織を巻き込んだ3カ年計画の取り組みを通して~

評価のポイント

緊急手術が多く、手術室看護師の時間外勤務が常態化し、特に若手看護師の離職率が高く、労働環境の改善や周手術期看護を担う人材育成に課題があった。これに対し、フィールド・イノベーション活動により問題点を可視化し、手術室への積極的人員配置、交代制勤務の導入等による業務改善を行い、さらには、手術室関連病棟への療養支援など、他部署・多職種と連携した、手術室看護師をはじめとする外科系看護師のキャリアデザイン構築にも取り組んだ。
その結果、時間外労働時間の削減に加え、術前訪問実施率の増加、二次的合併症の発生率減少を達成し、さらに、多職種間や病棟・手術室の連携も強化され、周手術期看護の質向上に大きく貢献した。
本取り組みは、これらの成果に加え、患者にもたらされた効果が大きく、また、手術室以外の技術的に特殊かつ人材育成に時間を要する他の部署においても汎用性が高い点が評価された。

【 プレゼン動画 】

優秀賞
< 業務改善部門 >
施設名

株式会社デザインケアみんなのかかりつけ訪問看護ステーション

タイトル

ICTツール×ウエブ会議最大活用による業務効率化への取り組み

評価のポイント

訪問看護ステーションにおいては、訪問業務以外の日々の連絡・相談・記録といった業務が多く、また事務作業のために事務所に戻ること等も従業員の負担や時間外勤務の要因となっていた。これに対し、全従業員がスマートフォンを携帯し、看護記録・音声入力システム、社内連絡用SNS等の様々なICTツールやweb会議を積極的に活用し、業務改善に取り組んだ。
その結果、時間の有効活用・作業効率の向上により時間外労働時間を削減した。また、多職種間の迅速な情報共有によって、利用者へ早期に必要な医療・看護ケア、福祉サービスの提供を実現した。さらに、一スタッフのケアを皆で共有でき、教育的な効果やチーム連携の向上にもつながった。
このような汎用化されたICTツールの導入は普及が容易であり、また、訪問看護にかかわる全職員を巻き込んだ取り組みである点が評価された。

【 プレゼン動画 】

< タスクシフト・多職種連携部門 >
施設名

公立羽咋病院

タイトル

入退院支援の活動からつなぐ看護へ
-外来でのスクリーニングを看護計画に直結させる-

評価のポイント

入院時に10種類以上の帳票が発生し、記入する看護師の記録に時間がかかること、聞き取りを受ける患者の負担が大きいこと、患者のリスクアセスメントや多職種間の情報共有に十分な時間を費やせない等の課題があった。これに対し、多職種で構成されるプロジェクトチームを立ち上げ、帳票の整理による情報の一元化に取り組んだ。また、入退院センターを設置、専任看護師を配置し入院業務を集約、さらには、薬剤師等の多職種で効率的に運用できるための体制を構築した。
その結果、患者への直接ケア時間が増加し、外来でアセスメント・看護計画立案が完結することで、入院直後から患者への早期介入が可能となった。さらに、多職種が互いの専門性を活かした情報共有が可能になった。
多職種連携の促進による情報の一元化、業務の効率化が評価された。

【 プレゼン動画 】

< AI・ICT等の技術の活用部門 >
施設名

社会医療法人柏葉会柏葉脳神経外科病院

タイトル

ウィズコロナでICT促進!~患者と家族をつなぐオンライン面会の取り組み~

評価のポイント

新型コロナウイルス感染症の影響により多くの施設が対面による面会制限を行う中、患者家族の不安は大きく、そのために問い合わせ対応の増加が生じ、業務の煩雑化が、時間外労働時間の要因となっていた。これに対し、既存のオンライン診療システムを活用したオンライン面会を導入し、特に多くの時間を要する予約調整業務を可能な限り自動化し、看護師の業務負担を軽減した。
その結果、看護師は効率的な業務の組み立て、面会時間に合わせた患者説明の事前準備が可能となった。また、取り組みによって生み出された時間で看護師がオンライン面会に立ち会うことは、患者家族の安心感や、治療への前向きな気持ちを引き出すことにもつながった。
オンライン面会は、看護業務の効率化に加えて、患者・家族の不安軽減に寄与し、さらには他施設でも導入が可能であり、その汎用性の高さが評価された。

【 プレゼン動画 】

奨励賞
施設名

社会医療法人財団石心会埼玉石心会病院

タイトル

排尿ケアチームの立ち上げ~患者のQOL向上を目指して~

評価のポイント

下部尿路機能障害のある患者には、できる限り専門的な早期介入が重要であり、特に膀胱留置カテーテルの長期留置は、患者のADL拡大の妨げ、感染症のリスクとなり、大きな課題であった。これに対し、泌尿器科病棟看護師が院内で活動する排尿ケアチーム立ち上げを提案し、多職種と協働して院内システム・相談体制を構築した。
その結果、病棟看護師から専門チームへのコンサルテーションが効率的かつ早期に実施され、患者に必要な排尿ケアの早期介入が実現し、さらには看護師の業務負担が軽減した。これらのことにより医療安全の向上や患者の安楽につながった。
近年、こうした事例は多く取り組まれているところではあるが、現場発信の問題提起による取り組みが患者に多くのメリットをもたらした点が評価された。

【 プレゼン動画 】

施設名

医療法人健和会柳原病院

タイトル

職種間において協働意識を生み出す取り組み

評価のポイント

多職種連携において、役割分担の不明瞭さ・情報共有不足によって、退院を見据えた患者支援が十分でないことが課題であり、これに対し、多職種の朝の申し送り実施にむけて業務規準を見直し、役割分担の明確化・情報共有の活性化に取り組んだ。また、多職種でレクリエーションを運営し、患者の多角的なアセスメントと、退院に向けたADLの維持向上に取り組んだ。
その結果、看護師・ケアワーカーの双方が互いの専門性や役割を認識でき、ケアの優先順位の共有・業務の効率的な組み立てにより、看護師の業務負担が軽減した。また、両職種による患者のADL、生活面のアセスメントが充実し、チーム連携による患者対応力が向上した。
異なる専門性をもつ多職種が、質の高い多職種連携を達成した点が評価された。

【 プレゼン動画 】

施設名

医療法人共栄会 名手病院

タイトル

時間外支援夜勤の導入-長年課題だった看護師の夜勤負担軽減への取り組み-

評価のポイント

看護師の夜勤・交代制勤務の負担軽減は全国的な課題であり、当施設においても、限られた人材での夜勤の実施は、十分な休息時間を確保できず、また、宅直を行う看護管理者の身体的・精神的負担等の課題があった。これに対し、管理当直や外来看護師の夜勤体制をもたず病棟看護師のみで夜勤業務を担っていた所へ、新たに時間外支援夜勤者を増員し、夜勤帯のリーダー業務・外来対応業務を担える人材を育成した。また、昨年度最優秀賞のユニフォーム2色制の取組も活用しながら、時間外労働時間削減に取り組んだ。
その結果、夜勤看護師の仮眠時間の増加による実労働時間の削減、看護師の身体的・精神的負担の軽減を実現した。さらに、時間外診察可能な患者数が増加し、地域医療にも貢献した。
看護師の夜勤負担軽減にむけた、夜勤体制見直しの長年の取り組みが評価された。

【 プレゼン動画 】

特別賞
施設名

医療法人社団おると会 浜脇整形外科病院

タイトル

整形外科分野における術後病衣の工夫

評価のポイント

整形外科領域において、術後創部の処置・確認をする際、安静を保ちながら、その都度、装具・衣類の着脱が必要となるが、その処置には看護師の労力・時間を要し、また、患者にとっても負担が大きいことが課題だった。これに対し、装具や衣類を着脱せずに創部を確認可能な肩病衣を看護師が考案した。上肢関連の手術全般に適応した肩病衣を独自に作成し、全入院患者が術後の一定期間、肩病衣を使用できる体制を整備した。
その結果、術後処置の介助・清拭時に要する看護師の人員削減、また、医師の処置・観察にかかる準備の削減に加え、患者の羞恥心への配慮等、患者の精神的・身体的負担の軽減にもつながった。
医師等の多職種や患者にもたらした効果も大きい点、自施設で特殊病衣を考案していることで今後更なる展開が期待できる点が評価された。

【 プレゼン動画 】

施設名

一般財団法人潤和リハビリテーション振興財団潤和会記念病院

タイトル

障がい者ベッドメイキングチーム委託業務の導入

評価のポイント

看護師・看護補助者の不足・離職率の上昇により、特に看護補助者の十分な確保、そして活用や教育体制の整備等に課題があった。これに対し、障がい者によるベッドメイキングチームへ、従来看護師・看護補助者が行っていたベッドメイキング業務を委託し、タスクシフトの推進に取り組んだ。また、マニュアルの整備、障がい者の個別性に応じた細やかな業務調整を行い、障がい者の労働環境の整備にも取り組んだ。
その結果、看護師・看護補助者のベッドメイキング業務が削減し大幅な業務効率化を実現するとともに、看護師による患者・家族への対応時間・患者への直接ケア時間が増加した。
看護業務効率化の実現に加え、障がい者の一般就労にもつながる等、他職種にも配慮したタスクシフトを実現したことが評価された。

【 プレゼン動画 】